イグノーベール賞は面白い!日本人が連続受賞した研究まとめ。

イグノーベル賞2019

2019年のイグノーベル賞化学賞を渡部茂・明海大教授(68)らのチーム5人が受賞しました!

受賞した研究内容は「5歳児の1日の唾液の量の解明」です。

複雑な機器は使わず、子供が紙コップの中に吐いた唾液を量るという力技の地味で泥臭い研究手法が評価されました。

唾液の量は虫歯の予防にも密接に繋がっており、渡部茂教授の研究はいまでも多くの歯科研究に引用されているそうです。

「唾を吐く」という行為にインパクトがありますね!

今回の受賞で日本人は13年連続でイグノーベル賞を受賞しています。

イグノーベル賞には過去にも「は?まじで!」と思わず言いたくなるような驚きの研究がたくさんありますが、みなさん真面目に研究を追求されてますし、やはりその分野に貢献した研究ばかりです。

イグノーベル賞は脚光の当たりにくい分野の地道な研究に、一般の人々の注目を集めることで科学の面白さをたくさんの人々に再認識させてくれます

これまでに日本人がイグノーベル賞を受賞した研究をまとめました。

イグノーベル賞は面白い!創設について

イグノーベル賞「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる業績」に贈られるノーベル賞のパロディーです。

1991年、アメリカのマサチューセッツ州でサイエンス・ユーモア雑誌『風変わりな研究の年報』 (Annals of Improbable Research)が発刊されるときに創立されました。

創立目的
・面白いけど埋もれている研究業績を広めること。
・並外れたものや想像力を讃えること。
・科学、機械、テクノロジーへの関心を刺激すること。

日本とイギリスからは毎年のように受賞者が出ています。

創設者のエイブラハムズは以下のようにコメントしています。

多くの国が奇人や変人を蔑視するなかで、日本とイギリスは誇りにする風潮がある。それがハッピーな国を生んでいます。世界に誇るべき文化だと思います。

引用元:Wikipedia

イグノーベル賞13年連続受賞!日本人の受賞一覧

イグノーベル賞12年アイキャッチ

2019年 化学賞
「典型的な5歳の子供が1日に分泌する唾液量の測定に関する研究」
渡部茂・大西峯子・今井香・河野英司・五十嵐清治(明海大学)

2018年 医学教育省
「内視鏡を操作し、座位で自分の大腸検査した論文「座位で行う大腸内視鏡検査―自ら試してわかった教訓」」
堀内朗(昭和伊南総合病院消化器病センター長)

自分自身に肛門から内視鏡をいれて患者さんの心理について考察する研究です。体張っていますね!

2017年 生物学賞
「雄と雌で生殖器の形状が逆転している昆虫(トリカヘチャタテ)の存在を明らかにした研究」
吉澤和徳(北海道大学准教授)・上村佳孝(慶應義塾大学教授)

2016年 知覚賞 
「前かがみになって股の間から後ろ方向にものを見ると、実際より小さく見える「股のぞき効果」を実験で示した研究」
東山篤規(立命館大学教授)・足立浩平(大阪大学教授)

前かがみになって股のうしろ方向にものを見ると小さくみえるんですかね?気になって試してみたんですけど、私はあんまり小さく見えなかったです(笑)気になる人は試してみてください。

2015年 医学賞
「キスでアレルギー患者のアレルギー反応が減弱することを示した研究」
木俣肇(開業医)

ほほ〜!キスすると心身ともにリラックスするからですかね。パートナーがいる方はどんどんキスしちゃってくだい(笑)

2014年 物理学賞
「床に置かれたバナナの皮を人間が踏んだときの摩擦の大きさを計測した研究」
馬渕清資・田中健誠・内島大地・酒井里奈(北里大学

こ、これは!面白すぎます。確かにバナナを踏んだら滑りますけどね(笑)4人掛かりで真面目に研究したことが面白いですね。ふざけたことを真面目に追求する姿は好きです。

2013年 化学賞
『たまねぎに多く含まれているアミノ酸を反応させると涙を誘う「催涙物質」が作られ、目を刺激し、涙が自然と出てくる仕組みになっている研究」
今井真介・柘植信昭・朝武宗明・永留佳明・澤田 博(ハウス食品)
長田敏行 (法政大学)・熊谷英彦 (石川県立大学)

ハウス食品の方が受賞されてますね。「ね〜、ね〜。玉ねぎを切る時になんで涙でるんかな?」と誰かが言い出したんでしょうか?確かにかなり気になる日常の疑問ではありますね。

2013年 医学賞
「心臓移植をしたマウスに、オペラの『椿姫』を聴かせた所、モーツァルトなどの音楽を聴かせたマウスよりも、拒絶反応が抑えられ、生存期間が延びたという研究」
内山雅照(順天堂大学・帝京大学)・平井敏仁(東京女子医科大学)・天野篤(順天堂大学)・場集田寿(順天堂大学)・新見正則(帝京大学)

でた!モーツァルト!よく農作物にモーツァルトを聞かせると品質が良いものが育つとはききますが、術後の拒絶反応も抑えるなんて万能ですね。全国病院はBGMにモーツァルトを流した方がいいのでは?

2012年 音響賞
「自身の話した言葉を、ほんの少し遅れて聞かせることで、その人の発話を妨害する装置「スピーチジャマー(Speech Jammer)」を発明した」
栗原一貴(産業技術総合研究所)・塚田浩二(お茶の水女子大学)

職場の小うるさい人につけて欲しいですね(笑)

2011年 化学賞
「火災など、緊急時に眠っている人を起こすのに適切な空気中のわさびの濃度発見と、これを利用したわさび警報装置の開発」
今井真(滋賀医科大学講師)・漆畑直樹、種村秀輝(シームス)・田島幸信(香りマーケティング協会理事長)・後藤秀晃、溝口浩一郎(エア・ウォーター防災)・村上純一(琵琶湖病院)・広浜秀次(研究開発担当)

わざわざわさびを使わなくてもいいのでは。。。。実用化するにはわさびの管理が大変そうです。

2010年 交通計画賞
「鉄道網など都市のインフラストラクチャー整備を行う際、真正粘菌を用いて、輸送効率に優れた最適なネットワークを設計する研究」
中垣俊之(公立はこだて未来大学)・小林亮(広島大学)・手老篤史(科学技術振興機構さきがけプロジェクト)・高木清二(北海道大学)・三枝徹(北海道大学)・伊藤賢太郎(北海道大学)・弓木健嗣(広島大学)

2009年 生物学賞
「ジャイアントパンダの排泄物から採取したバクテリアを用いると、台所の生ゴミは、質量で90パーセント以上削減できることを示した」
田口文章(北里大学名誉教授)ら

バンダの排泄物から採取したバクテリアを上野のお土産として売り出すのもありですね!

2008年 認知科学賞
「単細胞生物の真正粘菌に、パズルを解く能力があったことを発見」
中垣俊之(北海道大学/理化学研究所)・小林亮(広島大学)・石黒章夫(東北大学)・手老篤史(北海道大学/Presto JST)・山田裕康(名古屋大学/理化学研究所

は?なんでしょうこれは。細菌にパズルを解く能力があるってことですよね。なんか、すごいですね。ちなみにこの研究を拡張して2011年の交通計画賞の受賞につながりました。

2007年化学賞
「ウシの排泄物からバニラの香り成分「バニリン」を抽出した研究」
山本麻由(国立国際医療センター研究所研究員)

2005年 栄養学賞
「34年間、自分の食事を写真に撮影し、食べた物が脳の働きや体調に与える影響を分析」
中松義郎(ドクター中松)

ドクター中松はイグノーベル賞も受賞されていたんですね。さすがです!

2004年 生物学賞
131種類の蛙がストレスを感じているときに出す特有のにおいを全部嗅ぎ分けてカタログ化した、骨の折れる研究『においを発するカエルの分泌物の機能と系統発生的意義についての調査』に対して
早坂洋司(オーストラリアワイン研究所)

2003年 化学賞
「ハトに嫌われた銅像の化学的考察」。兼六園内にある日本武尊の銅像にハトが寄り付かないことをヒントに、カラス除けの合金を開発」
廣瀬幸雄(金沢大学教授)

お〜!ナイスアイデア!

2002年 平和賞
「犬語翻訳機「バウリンガル」の開発によって、ヒトとイヌに平和と調和をもたらした業績」
佐藤慶太(タカラ)・鈴木松美(日本音響研究所)・小暮規夫(獣医師)

バウリンガルで受賞!人と犬の平和はすごく大事ですね。

イグノーベル賞13年連続受賞まとめ

ノーベル賞は偉大な研究に贈られるのですが、イグノーベル賞は身近な疑問に真面目に答える研究が選ばれる、という印象があります。

バナナの皮で滑る時の摩擦の計測など、それの際たるものですよね。

モーツァルトを聞くと術後経過が良い、ということで受賞したのはマウスでの実験でしたが、これは人間にも適用して研究してほしいです。

イグノーベル賞受賞研究は真面目に不真面目な研究の数々。

イグノーベル賞を選考する方はよくぞこんな研究を見つけたな、と感心してしまいました。いったい年間で何本の論文を読んでいるんでしょうか?凄まじいですね。

これからも日本で面白い研究が続けられることを願っています。